コンセプトアートから生み出す新しい発想
プロジェクトにおける比較的初期の段階で、コンセプトアートを提案し、ゲーム全体の世界観を構築するのが私の主な仕事です。状況によりますが、基本的には特定のチームにアサインされることは少なく、様々なプロジェクトを横断してサポートする形が多くなります。コンセプトアートの役割は、企画段階のフワッとしたイメージやアイデアをビジュアルに落とし込み具現化することです。それによって、プロジェクトに関わる全てのメンバーにゲームの世界観やイメージが共有されます。自分が提案したコンセプトアートによって、色々なスタッフから新しい発想が生まれ、制作が活性化するキッカケになった時は非常にやりがいを感じます。
ゲーム全体を考えてデザインする
私はもともとキャラクターデザインをしたくて前職のゲーム会社に入ったのですが、キャラクターデザインを任せてもらえるまでには実に7年もの年月を要しました。そのポジションには、すでに私よりも遥かに絵のうまい先輩がいたからです。ただ、その7年間は今の自分につながる非常に貴重な時間だったと思っています。キャラクターデザインができない分、背景、UI、エフェクト、アニメーション、3Dモデリングなど…とにかくグラフィック制作に関するあらゆることを経験できたからです。コンセプトアーティストとして仕事をさせてもらっている今、最も役に立っているのは、単純な絵の技術ではなく、ゲーム制作の過程で必要なアートワーク全般の幅広い知識と技術です。その経験を経たことで、視野が広がり「ゲーム全体」を考えてデザインできるようになりました。
120%ルール
私が室長を務めているアート室という部署では「120%ルール」というものがあります。これは社内外からのさまざまなオーダーに対して「120%」、つまりプラスアルファの仕事をしていきましょうというものです。エンターテインメントを扱う私たちの仕事にはサプライズが必要で、それはユーザーに対してはもちろん、社内スタッフに対しても同じだと思っています。「もしかしたら必要ないかもしれないけど、こんなとこまでやりました!」という感じで相手にサプライズを届けます。このようなサービス精神の積み重ねが、新しい驚きや楽しさを生み出し、最終的にユーザーに響くのだと信じています。
広く愛されるIPを生み出したい
現在、アート室の業務とは別に自社で発売するオリジナルタイトルのディレクターを任されています。オリジナルタイトルに携わることは入社以来の念願でもありましたので、楽しくてしかたありません。ゲームのジャンルは「アクションシューティング」と呼ばれるもので、操作感や遊びやすさが特に重要になってきます。ですから、誰もが直感的に「楽しい!」と思えるプレイ体験を作れるように意識しています。もちろんグラフィックにもこだわっていて、ゲーム画面は3Dでありながらドット絵で構成されており、ゲームファンに好まれるような表現をしています。また、一癖あるキャラクターや独特な世界観がゲームにアクセントを加えています。この世界観やキャラクターに関しては、広く世の中に定着させグッド・フィールのIPとして長く愛されるものにしていきたいと考えています。
グッド・フィール品質
グッド・フィールは、これまでゲームグラフィックにおいて、常に「新しい表現」生み出してきました。それらは常に世の中から高い評価を受け、幅広い層のユーザーに受け入れられてきたと思っています。この部分はデザイナーだけでなく、グッド・フィールの全てのスタッフが胸を張れるところなのではないでしょうか。この「グッド・フィール品質」は、これまで制作に携わったすべてのスタッフの手によって、脈々と築き上げられてきたものです。これからもその誇りとプライドを忘れず、グッド・フィールだから作れる新しい表現や楽しさを世に送り出していきたいですね。